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ブラシレスモータとは?ブラシ付きモータとの違いや用途別の選び方

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産業機器や医療機器、精密機器の開発において、モータの選定は製品性能を左右する重要な要素です。

近年、高効率で長寿命なブラシレスモータへの関心が高まっており、従来のブラシ付きモータからの置き換えを検討される技術者の方が増えています。しかし、ブラシ付きモータとの具体的な違いや、自社製品への適用可能性を判断するには、技術的な根拠やデータが必要です。

本記事では、ブラシレスモータの基本構造と動作原理から、ブラシ付きモータとの詳細な比較、用途別のメリット・デメリット、産業分野ごとの選定ポイントまでを解説します。採用判断に必要な技術情報を整理し、信頼性の高いモータ選定を実現するための判断材料としてお役立てください。

 

 

ブラシレスモータの基本構造と動作原理

ブラシレスモータは、従来のブラシ付きモータとは異なり、機械的な接触部品であるブラシと整流子を持たない構造が特徴です。代わりに電子回路で電流の方向を切り替えることで回転を制御します。この構造により、ブラシレスモータはブラシ付きモータと異なりブラシ摩耗に寿命を左右されることはなく、長寿命かつ高効率な動作が可能となります。  長寿命かつ高効率な動作が可能となります。以下では、ブラシレスモータの基本的な仕組みを3つの観点から解説します。

このセクションで解説する内容

  • ブラシレスモータとは何か
  • ブラシ付きモータとの構造的な違い
  • ブラシレスモータの動作原理

これらの基礎知識を理解することで、自社製品への適用可能性をより正確に判断できます。

 

ブラシレスモータとは何か

ブラシレスモータは、文字どおりブラシを使わずに回転するモータです。ブラシ付きモータでは物理的な接触でコイルへの通電を切り替えていましたが、ブラシレスモータは電子回路で電流方向を制御します。

ブラシと整流子という摩耗部品が存在しないため、メンテナンスフリーで長期間安定した性能を維持でき、医療機器や産業用ロボットなど、高い信頼性が求められる用途で広く採用されています。

 

ブラシ付きモータとの構造的な違い

ブラシ付きモータは、回転子側にコイルがあり固定子側に永久磁石を配置する構造が一般的です。一方、弊社ブラシレスモータの構造は回転子に永久磁石、固定子にコイルを配置し、電子制御で磁界を切り替えます。

回転子と固定子の役割が逆転している点が大きな特徴です。この構造の違いにより、機械的接触部がなく、発熱や摩耗を大幅に低減できます。結果として、長時間の連続稼働にも耐えられる高い耐久性を実現しています。

 

ブラシレスモータの動作原理

ブラシレスモータは、固定子コイルに流れる電流の向きをインバーター回路で切り替えることで、回転子の磁石を引き寄せたり反発させたりして回転させます。ホールセンサーやエンコーダなどで回転子の位置を検出し、最適なタイミングで通電を切り替えるため、効率的でスムーズな回転が可能です。

この電子制御方式により、回転速度やトルクの精密な制御ができ、光学機器のレンズ駆動やセキュリティ機器の精密動作など、高精度が求められる用途に適しています。

 

 

ブラシ付きモータとブラシレスモータの違いを徹底比較

ブラシ付きモータとブラシレスモータは、それぞれ異なる特性があります。ブラシ付きモータはシンプルな構造で制御が容易ですが、ブラシ摩耗による寿命に注意が必要です。一方、ブラシレスモータは高効率・長寿命で静音性にも優れますが、駆動回路が必要でコストがやや高くなります。以下では、寿命、効率、静音性など多角的な視点から両者を比較し、用途に応じた選定基準を提示します。

このセクションで解説する内容

  • 寿命とメンテナンス性の違い
  • 効率と発熱の違い
  • ノイズと静音性の違い

これらの違いを理解することで、自社製品の要求仕様に最適なモータを選択できます。

 

寿命とメンテナンス性の違い

ブラシ付きモータとブラシレスモータでは、寿命とメンテナンス性に大きな違いがあります。以下の表で主な違いをまとめました。

項目ブラシ付きモータブラシレスモータ
寿命数百~数千時間数万時間以上
メンテナンスブラシ交換が定期的に必要
(弊社モータはブラシの交換は出来ない設計です。)
メンテナンスフリー
摩耗部品ブラシと整流子が摩耗ブラシ付きモータより機械的摩耗部が少ない
ダウンタイムモータ交換で発生ほぼゼロ

ブラシ付きモータはブラシが摩耗するため、数百~数千時間で交換が必要です。使用環境や負荷条件によっては、さらに短い周期でモータ交換を要する場合もあります。

一方、ブラシレスモータはブラシ付きモータより機械的摩耗部が少ないため、軸受け寿命まで使用可能です。一般的に数万時間以上の長寿命を実現でき、メンテナンスフリーで稼働できます。ダウンタイム削減やトータルコスト低減につながる点は、産業用ロボットや医療機器など連続稼働が求められる用途で大きなメリットとなります。

 

効率と発熱の違い

エネルギー効率と発熱特性は、モータ選定における重要な判断基準です。以下の表で両者の違いを比較します。

項目ブラシ付きモータブラシレスモータ
効率※中程度高効率
エネルギー損失接触抵抗・摩耗により大きい電子制御により最小限
発熱高い制御方法で低減が可能
省エネ性標準的優れている

※使用条件により異なります。

 

ブラシ付きモータは接触抵抗やブラシ摩擦によるエネルギー損失が生じ、効率は中程度です。損失分は熱として放出されるため、熱として放出されます。一方、ブラシレスモータは電子制御により無駄な損失が少なく、高効率が得られます。また、発熱も制御方法で低減できる可能性があります。省エネルギー化にも貢献し、バッテリー駆動のセキュリティ機器や携帯型医療機器では、動作時間の延長という実用上のメリットをもたらします。

 

ノイズと静音性の違い

ノイズ特性は、医療機器や精密機器など静粛性が求められる用途で特に重要です。以下の表でノイズと静音性の違いを整理しました。

項目ブラシ付きモータブラシレスモータ
機械的ノイズブラシ摩耗接触部が少ない
電気ノイズ発生しやすい最小限に抑えられる
静音性低い高い
周辺機器への影響電気ノイズが影響するおそれありほとんどなし

ブラシ付きモータはブラシと整流子の摩擦により機械的ノイズや電気ノイズが発生しやすく、静音性が求められる用途には不向きです。電気ノイズは周辺の精密機器に影響を与えるおそれもあります。

一方、ブラシレスモータは接触部が少ないため静音性に優れ、電気ノイズの発生も最小限に抑えることが可能です。医療機器やオフィス機器、光学機器など、静かな環境が求められる分野で採用が進んでおり、患者や利用者の快適性向上にも寄与しています。

 

 

ブラシレスモータのメリット・デメリットと適用分野

ブラシレスモータには多くのメリットがある一方で、導入時のコストや制御回路の複雑さといったデメリットがあります。医療機器、産業用ロボット、精密機器、セキュリティ機器など、高い信頼性や長寿命が求められる分野では、優位性から選ばれている製品です。

以下では、ブラシレスモータの具体的なメリット・デメリットを整理し、どのような用途に適しているのか、産業分野別の適用事例とともに解説します。

このセクションで解説する内容

  • ブラシレスモータの主なメリット
  • ブラシレスモータのデメリットと注意点
  • 産業分野別の適用事例と選定ポイント

これらの情報を踏まえることで、採用判断に必要な技術的根拠を整理できます。

 

ブラシレスモータの主なメリット

ブラシレスモータの主なメリットは、長寿命、高効率、低ノイズ、メンテナンスフリーの4点です。以下の表に主なメリットをまとめました。

メリット詳細
長寿命摩耗部分が少なく数万時間以上の稼働が可能
高効率エネルギー損失が少なく高効率を実現
低ノイズ機械的・電気的ノイズが少なく静音性に優れる
メンテナンスフリー定期的な部品交換が不要でダウンタイムを削減

摩耗部品が少ないため信頼性が高く、省エネルギーで連続稼働が可能です。静音性に優れ、電気ノイズも少ないため、精密制御や医療用途にも適しています。さらに小型・軽量化が可能で、設計自由度が高まります。

これらの特性により、製品の信頼性向上とトータルコスト削減を同時に実現できます。

 

ブラシレスモータのデメリットと注意点

ブラシレスモータは、駆動に専用のインバーター回路やドライバが必要で、初期コストがブラシ付きモータより高くなる傾向があります。制御が複雑なため、設計や調整に専門知識が求められる点も考慮が必要です。

回路設計やプログラミングのスキルが不足している場合、外部パートナーとの協力が欠かせません。ただし長期運用ではメンテナンスコスト削減や高効率によるトータルコストメリットが大きく、投資回収は十分可能です。導入時の初期投資と長期的なコスト削減のバランスを総合的に評価することが必要となります。

 

産業分野別の適用事例と選定ポイント

ブラシレスモータは、各産業分野で異なる要求仕様に応じて採用されています。以下の表で、主な産業分野別の適用事例と選定ポイントをまとめました。

産業分野主な用途例求める特性ブラシレスモータの優位性
医療機器内視鏡
ポンプ
手術用器具
高精度
高信頼性
長寿命
メンテナンスフリーで患者の安全性を確保
産業用ロボット搬送ロボット
組立ロボット
連続稼働
高トルク
高効率で生産性向上とダウンタイム削減
光学機器カメラのレンズ駆動
顕微鏡
精密制御
低振動
高応答性
滑らかな動作で高精度な位置決めを実現
セキュリティ機器電子錠
監視カメラ
省電力
小型化
長寿命
バッテリー駆動で長時間稼働が可能

医療機器では内視鏡やポンプなど高精度・高信頼性が必要な用途で、患者の安全性を最優先とするため、長寿命とメンテナンスフリーの特性が評価されます。

産業用ロボットでは長時間連続稼働と高トルクが求められ、ブラシレスモータの長寿命・高効率が生産性向上に貢献します。

光学機器ではレンズ駆動の精密制御が不可欠であり、低振動かつ高応答性の特性が重要です。

セキュリティ機器では省電力・小型化ニーズに応え、電池駆動の電子錠などで採用が進んでいます。

各分野の要求仕様に応じて、最適なブラシレスモータを選定することが製品の競争力を高める鍵となります。

 

 

まとめ

ブラシレスモータは、ブラシ付きモータと比較して長寿命・高効率・低ノイズという優れた特性をもち、医療、産業、精密機器、セキュリティなど幅広い分野で採用が進んでいます。初期コストはやや高いものの、メンテナンスフリーで長期的なコスト削減が可能です。用途に応じた最適なモータ選定が製品性能を左右するため、技術的な相談や仕様カスタマイズにも対応できるパートナー選びが重要となります。

 

タキロンシーアイ株式会社では、コギングレスで高精度なコアレスモータをはじめ、お客様の用途に合わせた小型モータソリューションを提供しています。

1989年のマイクロモータ事業開始以来、技術革新を続け、医療機器、産業用ロボット、光学機器、セキュリティ機器など、多様な分野での実績を積み重ねてきました。国内設計・徹底した品質管理による高い信頼性と、用途に合わせた仕様カスタマイズ対応力により、お客様の製品開発を強力にサポートします。モータ選定でお悩みの際は、ぜひお気軽にご相談ください。

 

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タキロンシーアイのマイクロモータ製品については、以下のウェブサイトで詳細をご覧いただけます。

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